【Mr.Children (an imitation) blood orange】15thアルバムの楽曲レビュー|物足りなさを感じてしまう駄作

【Mr.Children (an imitation) blood orange】15thアルバムの楽曲レビュー|物足りなさを感じてしまう駄作

ミスチルを聴き続けてきた私が、全アルバムレビューする企画第15弾!

今回は15枚目のアルバム「(an imitation) blood orange」を紹介します。

最初に言っておくと、私はこのアルバムがミスチルの中で最も駄作だと思っていますので、今回は辛口になってしまうかもしれません。

Mr.Children 15thアルバム「(an imitation) blood orange」について

15枚目のアルバム「(an imitation) blood orange」は2012年11月に発売されました。

前作「SENSE」からは丸2年ほど間が開いていますが、この間には第2弾となるベストアルバム「Mr.Children 2001-2005 <micro>」「Mr.Children 2005-2010 <macro>」が発売しています。

この流れでいくと、今度は2020年に2010年以降の10年分のベストアルバム発売ですかね?

 

さて、前作「SENSE」がシングル曲が1曲もないという異色の作品だったのに対し、「(an imitation) blood orange」は11曲中8曲が既に発表済みという前作から真逆に振れた作品です。

事前に知っている曲が多くなる現象は「BOLERO」や「シフクノオト」でもあったことですが、それらのアルバムと比べても

  • 「BOLERO」 未発表曲6曲(prologue除く)
  • 「シフクノオト」 未発表曲4曲
  • 「(an imitation) blood orange」 未発表曲3曲

このように最も未発表曲が少ないアルバムです。

(てか「BOLERO」が意外と未発表曲多かったことに驚き…)

 

ずっとシングルなども追いかけている人からすれば未発表の3曲だけのためのアルバムということになります。

まずこの時点でちょっと物足りなさは否めませんよね。

 

収録曲は以下の通りです。

01. hypnosis
02. Marshmallow day
03. End of the day
04. 常套句
05. pieces
06. イミテーションの木
07. かぞえうた
08. インマイタウン
09. 過去と未来と交信する男
10. Happy Song
11. 祈り ~涙の軌道

 

シングルは「祈り ~涙の軌道 / End of the day / pieces」のトリプルA面のみですが、他に配信限定シングルとして「かぞえうた」「hypnosis」があります。

 

他に3曲がタイアップで既にテレビで流れており、未発表曲は「イミテーションの木」「インマイタウン」「過去と未来と交信する男」の3曲。

恐らくアルバムタイトルはこの3曲にちなんだものだと思います。

ただ、公開済みの8曲は全く世界観が違うため、まとまりに欠け、何が言いたいのかよく分からないタイトルになってしまっている気がします。

 

私は当時、今も住んでいる地に引っ越し新たな仕事を始めていましたが、再び病気が再発し休職に入っていました。

そんなタイミングで発売されたアルバムは、私は勇気づけてくれる…と思いきや、イマイチすぎてすぐに聴かなくなり「SENSE」や「SUPERMARKET FANTASY」に戻ることになってしまいました…。

「(an imitation) blood orange」全曲レビュー

01. hypnosis

4曲目の配信限定シングル。

「タガタメ」のような壮大な雰囲気の曲ですが、個人的にこのアレンジがあんまり好きじゃないです…。

「hypnosis」とは催眠という意味です。

遠くで見てる夢の方が居心地がいい(催眠状態)けど、催眠状態を破って前に進もうという歌詞でしょうか…?

02. Marshmallow day

「エソラ」のような疾走感のある底抜けに明るい曲です。

アルバム発売前から化粧品のCMソングとして流れていました。

Marshmallowとはマシュマロ、マシュマロのように君がいる甘い生活みたいな意味だと思います。

彼女が好きなことを歌ったストレートな歌詞です。

03. End of the day

34枚目のトリプルA面シングルの2曲目。

明るい疾走感のあるポップス。

個人的にこのアルバムの中では一番好きな曲です。

歌詞は夢を追いかけても叶わない人が、もう少しで叶うはずと言い聞かせてもう少し前に進もうとする、というもので、前作の「蒼」を少し前向きにしたような歌詞です。

04. 常套句

「つよがり」に代表されるようなピアノ主体のラブバラード曲。

シングルにはなっていませんが、TVドラマの主題歌としてアルバムより先に流れていました。

「君に会いたい」が繰り返される、ミスチルの中では屈指のシンプルな歌詞です。

05. pieces

34枚目のトリプルA面シングルの3曲目…なのですが、全くシングルっぽくない曲。

過去のアルバムの「水上バス」とか「Another Story」くらいの地味さです。

そこまで抑揚があるわけでもなく、淡々歌いあげるミディアムバラードな感じ。

歌詞は長く付き合っている2人が大事なものを失いながらも、それを受け入れ、これからも一緒に生きていこうという内容になっています。

06. イミテーションの木

このアルバムのテーマと思われる曲。

どことなく「彩り」に重なるような優しい曲です。

イミテーションとは「模造品」のことで、イミテーションの木とはクリスマスツリーなどで見かける作り物の木のこと。

これまでミスチルは「全てはフェイク」とか「何か擬態したものばかり」と本物・偽物に関する歌を多く発表していますが、この曲は偽物でも人を癒せる、と本物・偽物の枠を超えて全て受け入れるようなメッセージとなっています。

07. かぞえうた

2011年の東日本大震災の際に発表した3曲目の配信限定シングル。

しっとりとしたスローテンポなバラードです。

何もない状態からどうにか希望や笑顔を探し出そうという、被災者を応援するための曲です。

08. インマイタウン

ジャズのような大人のイメージがする曲。

曲調は違いますが「渇いたKiss」とか「ロザリータ」のような雰囲気もあります。

とある都会で流されるまま生きる男の様子が描かれています。

09. 過去と未来と交信する男

「LOVEはじめました」のようなデジタルサウンドで作られたダークで怪しい雰囲気の曲。

歌詞もインチキっぽく思われている占い師(?)が客に様々な希望のメッセージを送るという内容になっています。

この「客に様々な希望のメッセージを送る」という部分だけは、まさにミュージシャンにも言えることであり、自分たちの存在を揶揄して作られた曲なのではないか?という解釈もされています。

10. Happy Song

シングルにはなっていませんが、「めざましテレビ」のテーマ曲としてアルバム発売前から毎朝かかっていた曲です。

前作の「Fanfare」のような人生の応援歌です。

「Happy Song」はそこまでテンポが早いわけではないですが、軽快なリズムが心地よいです。

「めざましテレビ」でかかっていた時はあんまり良いと思わなかったですが、このアルバムでじっくり聴くと結構印象が変わった曲でした。

11. 祈り ~涙の軌道

34枚目のトリプルA面シングルの1曲目として収録されていた曲です。

スローテンポなバラードで曲調は「しるし」「365日」の系譜と言えます。

なので恋愛をテーマにしたバラードだとずっと思ってましたが、今日歌詞を読んで違うことに初めて気づきました(笑)

どちらかというと、「悲しみがあってもそれを乗り越えて夢・理想を追い続けたい」という願いが込められた歌詞になっています。

このアルバムにガッカリした理由

私がこのアルバムでガッカリしたポイントは3つあります。

  • 初めて聴く曲が極端に少ない
  • コバタケサウンドが主張しすぎ
  • これまでの曲の焼き増しのようなものが多い

 

1つ目については上で述べた通りですね。

 

2つ目のコバタケサウンドについては、今作からではなく「HOME」の頃から小林武史のピアノ・シンセサイザーの存在感が大きくなってきました。

ただ、「HOME」「SUPERMARKET FANTASY」「SENSE」はバンドサウンドが強い曲も少しながらありました。

しかし、本作はそれがゼロで、全ての曲にコバタケサウンドが大きく混入しています。

これまでの作品でも少なからずコバタケ主張しすぎという批判はありましたが、本作は私もやりすぎと思いました。

 

3つ目は敢えて過去作と絡めて全曲レビューした通り、(過去にも似たようなのあったような…)となる曲多いという欠点です。

まぁこれだけ作品を生み出し続けていれば被ってくるのはしょうがないのですが、1,2曲は新しい感じの曲も聴きたいというのが正直なところ。

「(an imitation) blood orange」は残念ながらそういう実験作みたいなものはほぼ見られませんでした。

 

このアルバムを聴いて私は「遂にミスチルも才能が尽きたのかな…」と思いました。

そのくらいガッカリなアルバムでした。

 

しかし、これは私がミスチルをリアルタイムで追っかけて続けていたから、というのも少なからずあります。

少なくともシングルくらいしか知らないライトな人にとっては、耳障りの良い楽曲が並んでいる作品です。

最近ミスチルが好きになった人はむしろ早めに聴いた方が良いアルバムだと思います。

一応、今作でのおすすめ曲は「End of the day」「イミテーションの木」です。

[(an imitation) blood orange]
  • 価格   ¥ 2,400
  • 販売者 Amazon.com Int’l Sales, Inc.
クリックして今すぐチェック

 

このアルバムで若干幻滅してしまった私。

まさか次のアルバムで手の平クルッするとはこの時の私は知る由もありませんでした…。